外壁がトタン!! メンテナンスの必要性
2022/07/19
目次
外壁がトタン!! メンテナンスの必要性
特徴や耐用年数
1,そもそもトタンって何?
トタンと言うと、錆び易いというイメージがあると思います。どうしてそのようなイメージが定着してしまったのでしょうか?
トタンが外壁材として人気が出たのは1970年代~1990年代となります。これ以前の主流であったモルタルより工期が短く、デザイン性が高いと言う事も相まって、人気となり多く使用されました。また、モルタル壁で問題であったひび割れをしないことも人気になった理由の一つです。この時期に建てられたお家で多く使われており、30年~50年前に建てられたお家と言う事になります。建てられた時期を考えても錆び易いとイメージが定着してしまった理由だと考えられます。
トタンとは、鋼板という金属の板に亜鉛メッキを吹き付けて錆びにくくしている素材となります。亜鉛メッキが錆が発生しそうになると、自身が錆を吸収し、鋼板自体が錆びるのを防いでくれることにより、全体として錆を防ぐという特徴があります。耐用年数は適切なメンテナンスさえ行えば10年~20年と言われています。
以下にトタンを外壁や屋根に使用するメリットとデメリットをご説明致します。
〇メリット
・軽い
現在、人気のある外壁や屋根の素材にガリバリウム鋼板という物があります。そのご先祖様に当たるものと認識いただければ大筋では間違っていません。ガリバリウム鋼板にも言える事ですが、軽いため、地震の際に発生する横揺れが重い物に比べると少ないという特徴から、耐震性の高いものとなります。
・安価
薄い鋼板に亜鉛という比較的安価な素材を組み合わせているため、他の素材に比べると安価と言うのも魅力の一つです。
・デザインが豊富
黒や茶色など、単色の物だけでなく、木目などをプリントした物まで幅広くあり、デザインが豊富です。その為、お客様がイメージする外観に近い物が見つかる可能性が高いというのもメリットの一つとなります。
〇デメリット
・亜鉛メッキが補給されない
上記でご説明したように、吹付などで塗布した亜鉛メッキは、雨が当たるなどして錆を防ぐと消費されていきます。消費をされるだけで、補充はされないので亜鉛めっきの成分が無くなると錆が発生しやすくなります。
・亜鉛メッキが施されているのは表面だけ
この言葉だけを聞くと、表面だけで充分じゃないの?とお考えになると思われる方もいると思います。しかし、建物の大きさに合わせて切ることもありますし、固定するためにビスなどで穴を空けます。これらの切り口には亜鉛メッキは施されていない為、これらの所から錆が始まり、徐々に広がっていくと言う事になります。また、外側に当たる面は、3回程亜鉛メッキが塗布されている場合が殆どですが、内側では1回のみと言う場合が多く、内側から錆が発生し侵食していくということもあります。
・脆い
メリットの安価の所でもご説明した通り、薄い鋼板を素材として使用しているため、硬い物が当たるとへこんでしまったり、強風でめくれてしまったりと言う不具合が発生しやすいのもデメリットと言えます。
・熱伝導率が高く、遮音性は低い
ほとほとの素材が鋼板と言う事もあり、熱伝導率が非常に高いです。真夏のトタン屋根では、表面温度が80度に達することもあるほどです。この熱が室内にも影響を及ぼし、トタン屋根でない家屋に比べると、室内温度が4度上昇したという研究結果も報告されています。また、度々触れているように薄い鋼板を使用しているため、遮音性が低く外の音は室内まで聞こえる。室内の音は外部に漏れるというデメリットもあります。
2,トタンのメンテナンス内容とタイミング
トタンの特性を理解できたところで、必要なメンテナンスについてご説明して行きます。
前項のデメリットでもご説明した通り、錆を防ぐ為に消費された亜鉛成分は補充されません。では、亜鉛成分が無くなってしまったトタンはどうすればよいのでしょうか。そのようになってしまったトタンの外壁や屋根は塗装することで、錆の発生を抑えることが出来ます。亜鉛成分を補給することは出来ないので、塗装することで錆発生の大きな原因である水を鋼板に寄せ付けないようにするわけです。塗装することにより、塗膜が屋根や壁を覆ってくれます。これにより、鋼板に水が触れることを防ぐという事です。
続いて、その塗装のタイミングですが、外壁を指で触れると白い粉のようなものが付く事があります。これはチョーキング現象(白亜化現象)と呼ばれる現象で、塗装の防水機能が弱っているサインです。この状態で塗装をすることが最善ですが、錆が浮いてきた程度であれば、まだ間に合う可能性はあります。
塗装時の相場は30坪の家屋で足場等も含めて屋根を含まずに100万円前後となります。この数字は、使う塗料や家屋の大きさ、形などによっても変わってきますので、見積りを取ってもらう事をお勧めします。この金額から大幅に金額が異なる場合は、詳細な見積もりを作ってもらい、それぞれの項目がどの位の金額になっているのかを確認されることをお勧めします。また2~3社に見積りを依頼することで地域の相場を知ることも出来るため、是非、数社に見積りを依頼されることも同時にお勧めします。
では、必要と言われる塗装をせずにいるとどうなってしまうのかが気になりますよね。
上記の写真をご覧ください。これらの写真のような状態の建物をご覧になった方は多いかと思います。適切なメンテナンスを怠ると、このような状態になってしまいます。錆が貫通していたり、穴が空いているとその部分のトタンのみを貼り換える必要が出てきます。小さい穴程度であれば、コーキングで埋めることで張替えまでは必要ないという可能性はありますが、右の写真(赤い壁)のような状態になってしまうと塗装をするよりも張替えとなってしまいます。塗装には、これから発生する錆を防止する効果はありますが、もともとある錆を無くす効果はありません。その為、貼り換えた方が良いという判断になります。
次に張替え工事の内容をご説明致します。まずは、工法は大きく分けて、既存のトタンを撤去して新規に張る方法と既存のトタンを残してその上から張るカバー工法を採用するのかの2種類となります。カバー工法は単純に厚みが倍になるので、熱や音を遮断する効果は上がります。また、既存のトタンを撤去しない為、その分安価に仕上げることが可能になります。しかし、既存の錆が発生しているトタンの上から新しいトタンを張ります。その為、見た目は綺麗になりますが、根本的な解決は出来ていない状態です。また、新しい外壁材として、トタンの進化系であるガリバリウム鋼板を採用したとしても錆び易いトタンが内部にある為、錆が移ってしまうと言う事があります。これをもらい錆と言います。これらの理由からトタンの外壁にカバー工法を行うのはお勧めできません。
続いて、新たに採用する壁材の種類についてご説明致します。新たに採用する壁材の選択肢としては、同じトタンか、トタンの進化系のガリバリウム鋼板、最近外壁材に良く使用されている窯業系サイディングボードの3種類ほどに絞られてくるかと思います。この中で、トタンを採用することはお勧めできません。トタン自体の耐用年数が短いことが理由です。また、窯業系サイディングボードの採用もお勧めすることは出来ないです。窯業系サイディングボードはトタンに比べると約5倍の重量となります。建物を建てた時に、トタンを外壁に使う前提で設計されています。その為、重量が5倍になる窯業系サイディングボードを採用してしまうと、耐震性が下がる可能性が高くなります。
お勧めは、ガリバリウム鋼板です。トタンとほぼ同じ重量でありながら、耐用年数は25年~35年。適切なメンテナンスを行えば、40年以上の耐久性の維持も可能と言われています。これらの理由から、最もお勧めするのはガリバリウム鋼板となります。
ここで気になるのは、張替え工事に掛かる費用になるかと思います。使う素材をガリバリウム鋼板、既存の外壁材を撤去しての工事かつ、断熱材の充填を行う際の相場は30坪の建物で200万円~300万円。もし、既存のトタンを剝がしたら、躯体にも痛みが発生していたとなると更に費用がかさみます。
4,まとめ
いかがでしたか?トタンも必要なメンテナンスを行うことで、最大限の耐用年数を利用することが可能です。しかし、メンテナンスを怠ると劣化を早める原因となり、耐用年数以下の期間しか使えないという事態に陥ることもあります。
また、穴や破れが発生して長期間放置していると躯体を傷める原因となり、リフォームをして子や孫に家を譲ろうとした際にその後の使用に耐えられないという可能性もあります。こうなると多額の補修費、建て替え費用が必要となってしまいます。そうなってしまう前に、1年~2年毎に専門の業者に点検を依頼し、必要なメンテナンスを行うことをお勧めします。
当社は、岐阜県羽島市を拠点に岐阜県西濃地区、愛知県尾張地域や名古屋まで多くの施工実績を誇る会社です。ケレンや錆止め下地材の使用など必要な処理を施したうえで塗装を施してまいります。塗装で気になることがございましたら、是非当社にご相談ください。