外壁塗装には足場は必須です。必要性や相場を解説‼
2021/08/18
目次
足場にあまり良い印象ないんだけど…
皆さん、こんにちは。外壁塗装の際には必ず足場を組みますよね。近所や通勤時などに必ず一度は見たことがあるかと思います。観光に行った際に、楽しみにしていた建造物が足場のシートに覆われていてガッカリしたという方もいるかもしれません。今回は、そんな足場のお話です。
このページでは以下の項目についてお話していきます。
・足場が必要な3つの理由
・足場の種類とそれぞれの特徴
・足場の相場と概算方法
・足場設置費無料は大丈夫?
・足場設置・解体時に多い5つのトラブルと予防法
まず初めに、足場設置が必要な3つの理由について詳しくお話します。
1.職人の安全確保
まずは、職人や従業員の安全確保を目的に設置されます。労働安全衛生法という法律でも2㎡以上の高所での作業時は足場の組み立てなどの安全管理を行うように義務付けられています。
また、施主(お客様)さんにとっても、ご自宅の工事中に人が怪我をしたとなると後味の良いものではありませんよね。これらを防ぐためにも足場の設置は必要と言えます。
2.職人が正確かつ丁寧な作業をするため
足場を設置することにより、職人の体が安定し、塗装面に対して均一に力を掛けることが出来るようになります。また、無理のない姿勢を保つことが出来るため、作業が雑にならずに済みます。無理な姿勢を長時間続けるのは、辛い為『その部分は早く済ませてしまおう。』という意図を考えがにくくなります。
更に、安定した足場があることで細部まで確認しやすくなり、施工不良を予防することが出来ます。
3.近隣への配慮
足場には、必ずと言っていいほどメッシュ状のシートが掛けられています。このシートは高圧洗浄時の水や塗料が近隣に飛散を最小限にする効果があります。
次に、足場の種類と特徴について詳しく解説します。
単管足場
パイプ足場とも呼ばれる足場の組み方です。板などは設置せず、2本のパイプに乗って作業を行います。足元が2本のパイプだけなので、転落しやすく、見かける機会は減りつつあります。
ただし、踏み板を設置しないため、隣家との間が狭い場合などでは使わることがあります。
単管ブラケット足場
この足場は、パイプにいたと足場を取り付けて、ボルトで固定する足場です。単管足場よりは頑丈で、踏み板がある為落下事故は起きにくいですが、ボルトが緩むと揺れやすくなります。また、工期が掛かるという欠点もあります。
くさび(ピケ)足場
現在、主流となっている足場です。踏み板の幅が広く、設置工期が短くて済むのも魅力の一つです。しかし、揺れを防ぐためにハンマーで強く金属を叩くため、設置・解体時にはカンカンと良く響く大きな音が出るのが欠点ではあります。
例外
足場を設置せずに屋根からロープと座面を垂らし、座面に座って作業をする無足場工法と言う手法を用いることもあります。無足場工法は足場を組む費用や工期を短縮できるというメリットがありますが、無足場工法はかなりの技量が求められるため、現在では対応できる職人が非常に少なくなっています。
足場代は「足場の種類」と「足場を設置する面積」によって決まります。一般的に足場費用は、外壁塗装費用全体の20%が目安と言われています。
足場の種類にもよりますが、足場の設置費用と養生シート(メッシュシート)合わせての相場は、概ね700~1,000円/㎡です。
足場設置費の概算方法
足場費用の計算には足場を設置する面積(足場架面積と言います)を求める必要があります。まずは、足場架面積を求めましょう。足場架面積は以下の計算式で求めることが出来ます。
足場架面積=(家の外周(m)+8m)×家の高さ(m)
この8mは外壁から足場までの距離となります。
家の高さは1階につき3mです。2階建てなら6m、3階建てなら9mが目安となります。
足場架面積を求めることが出来たら、足場の平米(㎡)単価を掛けることで大まかな足場費用を計算出来ます。
足場費用=足場架面積×平米単価
※平米単価とは前述した700~1,000円/㎡の事です。
例として、外周30mの2階建て(高さ6m)家屋。平米単価800円で計算すると、大まかな足場費用は次のようになります。
足場架面積=(家の外周30m+8m)×家の高さ6m=228m
足場架面積=228m
足場費用=足場架面積228m×平米単価800円=182,400円
この例では182,400円になることが分かるかと思います。この様に、2階建て家屋の場合、足場費用だけでも20万円前後掛かることがお分かり頂けるかと思います。なお、この概算費用は、外周や何階建てかによっても変わってきます。実際に施工業者から提示された金額と異なることがあります。参考として計算してください。
一般家屋の場合、設置と解体にそれぞれ1日は掛かることが殆どです。設置場所までの運搬費用も掛かります。また、足場の組み上げには『足場の組み立て等作業主任者』という国家資格を有する作業員を同伴する必要がある為、必ず人件費も掛かります。
この事からも分かる通り、足場設置費が無料になることは考えにくいのです。見積書の足場の項目が0円になっていたとしても、他の項目(材料費など)に上乗せして請求している可能性は十分に考えられます。『当社は、足場費用は頂きません』のような宣伝文句を信じて施工を依頼してしまうと、全体的には相場よりも高かったり、手抜き工事をされる可能性が考えられるので、依頼しない方が無難です。
ただ、足場設置費無料と謳っている業者全てが悪徳業者というわけではありません。不安であれば、他の業者にも見積りを依頼し、相場とかけ離れた金額を提示されていないかを確認されることをお勧めします。
続いて、足場設置・解体時に多い5つのトラブルと、その予防法についてお話します。
1.騒音
先述した通り、現在主流となっているくさび(ピケ)足場は揺れを防ぐために強くハンマーで叩くため、大きな音が出てしまいます。また、足場は金属でできているので、金属同士がぶつかる音も出ます。それ以外にも、作業場出てしまう音や、作業員の話し声など音が出やすい環境になります。
人は聞きなれない音は、耳障りと感じやすいため、ご近所から苦情が来ることは考えられます。工事が始まる1~2週間前に近隣の方へ工事をする旨を伝えておくことで騒音によるトラブルを未然に防ぐことが出来ます。良心的な業者は、業者が挨拶回りをしてくれることもあります。
2.空き巣が浸入しやすい
足場を組むことで、普段であれば侵入しにくい2階以上の窓などに容易にアクセスしやすくなります。また、飛散防止のために掛けるメッシュシートが目隠しとなってしまうことで、周囲から家屋の様子が分かりにくくなってしまいます。
普段と同じように2階窓を開けていると、就寝中に空き巣が浸入するかもしれません。いつも以上に戸締りには気を付けることで空き巣の侵入を防ぐことが出来ます。
3.隣家の敷地に足場がはみ出すことがある。
都市部などの住宅密集地などにお住まいで、隣家との間が狭い場合にはご自宅の敷地内に足場が収まりきらずに、隣家の敷地をお借りしなければいけない場合があります。民法第209条第1項では「土地の所有者は、境界またはその付近において障壁または建物を築造し又は修繕するために必要な範囲内で、隣地の使用を請求することができる」と規定しています。難しく書いてありますが、工事に必要な範囲であれば、隣地に立ち入ったり、足場を設置することは法的に認められていると言う事です。ただ、この条文には続きがあり、「ただし、隣人の承諾が無ければ、その住家に立ち入ることはできない。」とも規定していますので、隣家へ事情を説明して許可を得なければなりません。
隣家へお願いに行く際に、業者にも同行を依頼し、専門的な観点から説明してもらえると、隣家からの承諾も得やすくトラブルを未然に防ぐことが出来るでしょう。
なお、稀に隣家が留守の間に足場を組んでしまえば良いという業者がいますが、その責任は業者だけでなく、お客様にも問われます。この様なことを言う業者には施工を依頼しない方が良いでしょう。契約を結ぶ前に、近隣への挨拶回りや足場が隣家の敷地に入る場合は隣家へのお願いをする際に同行を頼めるかを確認されることをお勧めします。
4.自動車や外壁に傷がつくかも
足場の設置時や解体時に、予期せぬトラブルから自動車や自転車、外壁等に傷をつけてしまうことがあります。自動車や自転車の様に移動できるものは近所に駐車場などを借り、移動させておいた方が良いでしょう。
また、足場設置・解体時に外壁に足場が当たってしまい。傷をつけてしまうことがあります。職人がその場で気づけば、その場で対応をしてくれると思いますが、施工終了後に施主が気付いた場合は、誰が傷を付けたかで揉めることがあります。この様な事態を防ぐためにも、施工前後の状態を写真に収めておき、揉めた際に証拠として提示できるように準備をしておきましょう。
5.花木が枯れるかも
庭や玄関先でガーデニングを楽しまれている方も多いかと思います。そのような方は、鉢植えの様に移動できる物は移動しておきましょう。足場の設置・解体時に足場が当たり鉢植えを倒してしまったり、足場に阻まれて水やりなどの世話が出来ずに枯れてしまう可能性があります。地植えや大きな鉢で移動が困難な場合は、事前に業者に相談をし、足場の組み方を工夫してもらいましょう。
その他
これは悪徳業者に引っかからない為の予備知識となります。足場設置から外壁塗装工事足場解体までには、多くの物や人が動くことになります。意図せず、家屋や自動車を傷つけてしまうことがあるかもしれません。足場業者は塗装業者の下請けであることが多く、このような事態となったときに責任の所在が不明瞭となり、泣き寝入りとなるかもしれません。
このような事態を招かない為にも、施工を依頼する前に、塗装業者や下請けの足場業者が「保険に入っているか」や「もしもの時の補償範囲はどこまでなのか」をしっかり確認しておきましょう。
最後に
いかがでしたか?足場についての理解を深めて頂くことは出来ましたか?外壁塗装を考えられている方は、この記事にある計算式を用いて自宅の足場費用を概算してみて下さい。また、工事前や工事中は予防法を参考にしてみて下さいね。
当社は岐阜県羽島市を拠点として、岐阜県西濃地域から名古屋市を中心に多数の施工実績を持っています。足場は信頼の出来る下請け業者に依頼しています。外壁や屋根でお困りのことがありましたら、是非、当社へご相談ください。
最後になりましたが、最近はDIYが流行っており、ご自分で足場を組んで外壁の修理をしようとお考えの方もいるかもしれませんが、絶対にご自分で行うのはやめて下さい。この記事にもある通り、足場の設置には国家資格を有した人物の同伴が義務付けられています。また、高所作業となるため、転落などの事故に繋がります。また、足場が崩れた時のことを考えただけでもゾッとします。大切な事なので、もう一度言います。絶対にご自分で足場を組むのはやめて下さい。
最後はお願いになってしまいましたが、このページは以上となります。また、他の記事でお会いしましょう。