『屋根の三日月』を指摘をされている岐阜、愛知の方はコチラ
2022/04/17
目次
2. 三日月に傷みがあるとどうなるの?下から見て分かる物なの?
こちらの写真は、実際に補修している写真となります。持っている道具から右側は補修前で、傷みがある状態となります。見て頂くと分かる通り、左側は綺麗な白色、右側はグレーと茶色が混ざったような色をしています。この色の違いは、下から見ても判別できるため、この色の違いを基準にお手紙を入れさせて頂いております。
なお、色に関しては、傷みの進行具合により、黒っぽいこともあります。また、もっと茶色っぽいこともあります。最もひどい状態ですと、完全に空洞になってしまっていることもあります。気になった方は、一度専門の業者に点検をご依頼されるのが良いかと思います。
くれぐれもご自身で点検や補修をしようとは思わないで下さい。ご自身で行った方が安価では済みますが、屋根の上は思いのほか滑ります。また、漆喰も詰めれば良いという物ではありません。漆喰の詰め方を間違えると雨漏りを助長することもあります。専門の業者にご依頼されることを強くお勧めします。
3. 三日月は目立たないけどとっても大事な役割があります。
皆様に『三日月』の場所と傷みがあるとどの様に見えるのかをご理解頂けたと思いますので、三日月(漆喰)の役割についてご説明させて頂きます。
三日月の中には土が詰めてあります。最初の項で少しだけ触れさせて頂きました。さらに詳しい説明は、またの機会とさせていただき、今回は省かせて頂きます。
三日月は、この土が流れてしまうのを防いでくれています。では、何故土が無くなるといけないのか気になりますよね。三日月がある棟は、棟瓦をはじめとしたいくつもの瓦を組み合わせて形作っています。この沢山の瓦の隙間を埋めているのが、三日月の中にある土なのです。その為、この土が無くなってしまうと瓦が不安定な状態となり、いずれ落下してしまいます。
それだったら、土だけでもいいんじゃないの?と思われる方もいるかと思います。何も保護をしない状態で雨も日光も浴び続ける状態をご説明いたしますね。雨が降ると、土が雨を吸ってしまい膨張します。その後、天気が良くなると、気温の上昇や日光を浴びることで乾燥し、収縮してしまいます。これを繰り返すうちに徐々に崩れてきてしまい、最終的には、無くなってしまうという事態に陥ります。この様な事態を防いでくれるのが三日月の役割りとなります。
また、美観上の役割も兼ね備えています。瓦屋根は濃さに差はある物のグレーが多いです。そこに、漆喰の白が加わることで屋根が引き締まって見え、家全体で見た時にも引き締まって見えるという効果も期待できます。また、グレー以外の色(青や緑)との相性も大変良いです。これらの色と組み合わさるとさわやかな印象を与えてくれます。
4. 三日月補修の内容と相場
1. 棟詰め直し補修 相場:4,000円~7,000円/m
4. 三日月補修の内容と相場
2. 棟取り直し補修 相場:10,000円~16,000円/m
次に、棟取り直し補修について、ご説明いたします。
写真を見て頂くと、手前に鬼瓦があるのがお分かりいただけるかと思います。本来であれば、そこから奥に向かって棟があるはずなのですがありません。一度、棟を全て取り払って一から棟を作り直す補修方法を棟取り直し補修と言います。この補修は、棟の土の流出がひどく、先程ご説明した『詰め直し補修』では、補修として不完全になってしまうなどの棟の損傷が進んだ状態の補修に用いられます。
メリットは、一から作り直すため、当面は三日月を含め棟に関しては補修の必要が無いことです(棟だけですので、屋根全体と間違えないようにしてください)。デメリットは金額も時間も多く必要になると言う事です。
5. 最後に
突然、『三日月』などという聞きなれない言葉が書いてある手紙を入れられて、驚いた方もいらっしゃるかと思います。普段、あまり気にしない部分ですが、大切な役割をしている三日月です。放置するとどの様な事態が発生するかと言うと、雨漏りの原因となりえる所です。また、棟取り直し補修をしないといけないとなると、金銭的な負担も大幅に増加します。お手紙を入れさせて頂いたお宅にお住まいの方は、一度、ご自宅の三日月のご確認をお願い致します。
当社は岐阜県羽島市を拠点に、岐阜県西濃地区から愛知県尾張地域、名古屋を中心に多数の施工実績を持つ会社です。気になることがある方は、お気軽にお問い合わせください。